越後妻有に行ってきただ。

春休みの終わり、超ギリギリに「宿題」を出して、そのまま新学期に突入〜!です。
最初の大イベントは、新入生オリエンテーション合宿なる2泊3日のバス旅行。セミナーハウスのある谷川へゆくのですが、今年スタートした「国際交流・国際協力専攻」だけは、ちょっと足をのばして「越後妻有」の地で1泊するプログラムです。わたしもそちらについていきましたよ。

大地の芸術祭」で知っている人は知っている、とはいっても、なにせ新潟の山里にちらばる過疎の町町。そんなところに投下される資本もなく、人は流出しつづけ、山肌に丹念につくられた棚田を耕す人も減りつづけ…、というような場所なわけで。
なんでそんなところに「国際交流・国際協力」が? しかもプログラムには雪掘り体験なんてのも入っています。学生さんたちも「??」であったことでしょう。
しかしこの地、じつは、アートを媒介にした“協働の夢”が、見果てぬ夢ではなくウツツのものとなっている、希有な実践の地、なのです。けれども、里山にアート?ふざけるでない!というわけで、当初は関係自治体すべての議会で「反対」決議。地元の人びとだって、そんな怪しげな食えないもの、誰も見向きもしません。そこですごいなと思うのが、仕掛け人の北川フラム氏、なんと2000回もの話し合いを重ねて、地元の人びとを説得したのだと。そうして世界各国から来たアーティストたちが、里山をオブジェにし、作品でもある施設を建て、廃墟だった空き家をよみがえらせて作品を置いたり旅館にしたり、という実践がはじまりました。
つまり、越後妻有とは、過疎の里山に咲いた協働の花。マニュアルのないところであきらめずに人と話しつづけることが、“あり得なかったはずの”人と人とのかかわりあい(と町おこし)を可能にした、協働の生きた教科書、てなわけで。そこへ学生さんたちを放り込んじゃえ、というのがこのイベントなのでした。

なんて話はあるわけですが、そこにあるのは、「里山」や「棚田」や「風の道」を可視化する、むちゃくちゃカッコよかったり可愛いかったり悲しいまでに寂しかったりするアートなわけで。その存在感は圧倒的です。(雪の残る今はまだ見られなかったですが、松代駅前の棚田の作品は、いつかぜったい見たい!)
存在がかわいい!のは、人もまたそうで。嬉しそうに学生らに話しかけながら配膳をしてくれるおばあちゃんたちや、嬉々として作品を説明してくれるおじいちゃんたちや、この協働が人びとを元気にした、という事実を端的に見せてくれました。

小高い丘のてっぺんに立つ「光の館」で、屋根の真ん中が開いていくのを寝転びながら眺めるゼミ合宿、なんていいじゃない?

もう一度行きたいぞ越後妻有!